赤葦先生が担当編集さんと口述筆記する話
『口述筆記』 ※昭和初期の作家パロです。駆け出し小説家の赤葦先生とその担当編集さんのお話。 【一】 夕暮れの銀杏並木は、斜陽を孕みながら色を変えつつあった。 黄葉の隙間を縫うように光が差し、石畳に細かな金の粉をこぼしてゆ…
続きを読む →『口述筆記』 ※昭和初期の作家パロです。駆け出し小説家の赤葦先生とその担当編集さんのお話。 【一】 夕暮れの銀杏並木は、斜陽を孕みながら色を変えつつあった。 黄葉の隙間を縫うように光が差し、石畳に細かな金の粉をこぼしてゆ…
続きを読む →『バレンタイン・ブランデー』 この時期になれば、街の色がじわりと紅く染まる。ハートの飾りが視界の端に引っかかって、デパートの催事場に足を踏み入れた瞬間、甘さが空気ごと喉に触れてくる。ディスプレイも、試食の匂いも、乙女た…
続きを読む →『いつもの和室』 ある日。 和室で、彼女はうつ伏せになって本を読んでいた。 畳に頬が近い距離で、い草の匂いをゆっくり吸い込んでいる。あの匂いが好きなんだ、と前に言っていたのを思い出す。白い障子越しの光が、昼の輪郭をやわ…
続きを読む →『不動』 風のない夕刻が空気を澱ませていた。 教室の窓は灰色に曇り、机の影が鈍い。 彼女は鞄を抱き締めるように胸に当て、声を絞り出した。「……ツラすぎる。もう消えたい。しんどい」 言葉は脱ぎ捨てた上着のように床へ落ちた…
続きを読む →『仲直りの余韻』 ほんの些細なすれ違いだったはずなのに、言葉にできなかった不安や苛立ちが、思っていた以上に根を張っていたのかもしれない。 冷戦の間、互いに意地を張って、無駄な時間を過ごした。 ようやく仲直りしたあとの彼…
続きを読む →『お疲れさまのキス』 夜更けの寝室。カーテン越しの街灯が、天井にぼんやりとした明かりを落としていた。ベッドに仰向けになってスマホを眺めていた俺は、ドアが開く気配に顔を上げる。 風呂上がりの彼女が、ふわっとしたバスタオル…
続きを読む →至って健全な話です。まじめな子がちょっと変わった生態をした角名くんに振り回される話。 『過充電!』 Chapter1 『情けは人の為ならず』 この言葉を初めて聞いたとき、「むやみに親切にしてもその人のためにならない」と…
続きを読む →『白い光に目を細める』 Chapter1 「なんやまた来てたんか」 社会人一年目。道端には落ち葉が広がり、木々の間には乾いた風が吹いている。冬の始まり。 仕事帰りに親友の家で晩ご飯をご馳走になっていた。彼女のおばあちゃん…
続きを読む →『残暑にお見舞いされる』 東京の暮らしに、区切りをつけた。戻ってきた宮城の空は、思っていたよりも高くて、思っていたよりも静かだった。私がここへ戻ってきたのは、家業を継ぐためだった。不動産の大家業を営む家に生まれ、一人娘…
続きを読む →※反応集です。 夕食を食べながらのやりとり。彼女「今日、デザートあるから」HQ彼氏『どんな?』彼女「…私!」 *烏野高校 《日向翔陽》「今日、デザートあるよ!」『え!?マジ!?嬉しい!!今食べたい!どこにある!?』「私、…
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