恋人の松川くんに贈るチョコを探す話

『バレンタイン・ブランデー』  この時期になれば、街の色がじわりと紅く染まる。ハートの飾りが視界の端に引っかかって、デパートの催事場に足を踏み入れた瞬間、甘さが空気ごと喉に触れてくる。ディスプレイも、試食の匂いも、乙女た…

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同棲中の松川くんとの日常01

『いつもの和室』  ある日。 和室で、彼女はうつ伏せになって本を読んでいた。 畳に頬が近い距離で、い草の匂いをゆっくり吸い込んでいる。あの匂いが好きなんだ、と前に言っていたのを思い出す。白い障子越しの光が、昼の輪郭をやわ…

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昼神くんの前で軽口を叩いてしまった話

『不動』  風のない夕刻が空気を澱ませていた。 教室の窓は灰色に曇り、机の影が鈍い。 彼女は鞄を抱き締めるように胸に当て、声を絞り出した。「……ツラすぎる。もう消えたい。しんどい」 言葉は脱ぎ捨てた上着のように床へ落ちた…

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疲れた彼女を癒したい黒尾くんの話

『お疲れさまのキス』  夜更けの寝室。カーテン越しの街灯が、天井にぼんやりとした明かりを落としていた。ベッドに仰向けになってスマホを眺めていた俺は、ドアが開く気配に顔を上げる。 風呂上がりの彼女が、ふわっとしたバスタオル…

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五つ年下の北信介に叱咤される話

『白い光に目を細める』 Chapter1 「なんやまた来てたんか」 社会人一年目。道端には落ち葉が広がり、木々の間には乾いた風が吹いている。冬の始まり。 仕事帰りに親友の家で晩ご飯をご馳走になっていた。彼女のおばあちゃん…

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HQ彼氏にデザートは私♡と言ってみた

※反応集です。 夕食を食べながらのやりとり。彼女「今日、デザートあるから」HQ彼氏『どんな?』彼女「…私!」 *烏野高校 《日向翔陽》「今日、デザートあるよ!」『え!?マジ!?嬉しい!!今食べたい!どこにある!?』「私、…

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