うつろぐ一年目 Chapter3
Chapter3 全校生徒が静かにざわついていた。 誰かが階段の影で「マジで元総長だったらしい」と囁けば、別の誰かが廊下の奥で「黒服三人を片手で投げた」などと盛って伝える。 ──くだらねぇ。 才虎の転校初日に派手に…
続きを読む →Chapter3 全校生徒が静かにざわついていた。 誰かが階段の影で「マジで元総長だったらしい」と囁けば、別の誰かが廊下の奥で「黒服三人を片手で投げた」などと盛って伝える。 ──くだらねぇ。 才虎の転校初日に派手に…
続きを読む →Chapter2 夏休みが始まってすぐの午後。 バイク屋の敷地に入ったとき、自販機の前に立つ見覚えのある後ろ姿を見つけた。風が止まりかけたように、時間が一瞬だけゆるんだ。 白いTシャツ、濃い色のデニム。日に透ける明…
続きを読む →Chapter1 春の光が、若葉のあいだからぽつぽつと落ちていた。昼休みの校庭は静かで、風も小さく、音もほとんどない。 けれどその中で、ギターの音だけがかすかに聞こえていた。芝のあたりから、遠く、低く、ちぎれそうな音が…
続きを読む →Chapter0 先生が板書してるチョークの音を、ぼんやり聞いていた。 新学期だ。四月。空気にまだ少し冷たさが残ってて、窓際の陽射しが眩しい。 この学校に転校してもう半年以上が経った。去年の九月、突然この制服に身を包ん…
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