同じ学部の若利くんは私をよく見ている話
『きみの好きな味』 春。大学の入学式の日、私が見上げたのは、満開の桜じゃなかった。「すまない。怪我はないか」 人波から頭ひとつ抜けた、大きな男の人だった。 式典会場へ続く道は、真新しいスーツを着た新入生と、その家族で…
続きを読む →『きみの好きな味』 春。大学の入学式の日、私が見上げたのは、満開の桜じゃなかった。「すまない。怪我はないか」 人波から頭ひとつ抜けた、大きな男の人だった。 式典会場へ続く道は、真新しいスーツを着た新入生と、その家族で…
続きを読む →『熱帯魚のいる部屋』の続編です。牛島×生き物シリーズになる予感。 『モルモットのいる部屋』 玄関の扉を開けた彼女は、大きな荷物を両手に抱えていた。 片方は布のかかったケージ。もう片方は、牧草やフードが詰め込まれた袋だ。…
続きを読む →『熱帯魚のいる部屋』 「はあ、やだなあ。長いなあ」「長いな」 出張は一か月だと、彼女は少し困った顔で言った。キャリーケースの横にしゃがみ、膝に置いた手をぎゅっと握っている。俺はその言葉の長さを、日数としては理解した。三十…
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